美しい花

結構好きだった高校のころの漢文の時間。

白居易の長恨歌で楊貴妃の美しさを歌った一節の「梨花一枝,春雨を帯ぶ」というのは,自分のイメージでは,春の雨に梨の花が洗われて,もともと美しい花の美しさが際立ったときのように楊貴妃が美しい,という意味だと思っていたが,雨がその前節の「玉容寂寞として涙欄干」の涙と対応していて,美しい女性が悩み悲しむ姿のたとえ,というのが正しい意味だと聞いて,雨=涙で,なんか即物的な感じがした。

うちの庭には梨の木はないが,以前は林檎の木があって,春に白く美しい5弁の花をつけ,雨が降ると,この長恨歌の一節を思い出して,楊貴妃のような美しい女性を見ることは出来なくても,林檎の木を育てると,毎年この美しい花が見られるという幸せがあると思った。

林檎の木は鉄砲虫に巣くわれて,ある春に芽吹かず,春の嵐の朝に株元から折れて倒れて亡くなっていて,いまはないけれど,代わりにジューンベリーが白く美しい5弁の花をつけて美しい林檎の花を想い出させます。

ジューンベリー・バレリーナ,2021/04/18
ジューンベリー・バレリーナ,2021/04/18