材料評価において、粒子径や形状は製品性能を左右する極めて重要な要素です。従来は平均粒径や分布幅のみが評価指標として用いられることが多くありましたが、近年では粒子の形状や個数、濃度まで含めた多角的な評価が求められています。その要求に応える技術として注目されているのが
動的画像解析 です。
本記事では、動的画像解析を用いた粒子径・形状評価の意義と、産業界での最新活用動向について詳しく解説します。
粒子径評価の限界と課題
粒子径は、材料の反応性、流動性、溶解性、分散性などに直接影響します。しかし、粒子は必ずしも真球ではなく、実際には不規則な形状を持つことがほとんどです。そのため、単一の粒径値だけでは材料特性を正確に把握できないケースが増えています。
レーザー回折法や光散乱法では、球形を仮定した計算モデルに基づいて粒径が算出されるため、非球形粒子や凝集体の影響を受けやすいという課題があります。
形状評価の重要性
粒子形状は、粉体の充填性、圧縮性、流動性、表面反応性などに大きな影響を及ぼします。例えば、同じ粒径であっても、角ばった粒子と球形粒子では挙動が大きく異なります。
動的画像解析 では、粒子一つひとつの実画像を取得し、以下のような形状パラメータを定量化できます。
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円形度
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アスペクト比
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長径・短径
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外周の滑らかさ
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凝集状態の有無
これにより、従来法では見逃されがちだった形状差を明確に評価できます。
動的画像解析の測定プロセス
動的画像解析では、測定対象となる粒子を流動状態に保ちながら高速カメラで連続撮影します。撮影された画像は専用ソフトウェアにより自動処理され、粒子ごとの情報が瞬時に抽出されます。
このプロセスにより、数万~数百万個の粒子を短時間で解析でき、統計的に信頼性の高いデータ取得が可能となります。さらに、測定中に取得された元画像を確認できる点も大きな特徴です。
個数基準分布と体積基準分布
動的画像解析 では、個数基準分布と体積基準分布の両方を取得できます。
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個数基準分布:微小粒子や異物の検出に有効
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体積基準分布:材料全体のボリューム特性を把握するのに適している
用途に応じて分布基準を使い分けることで、より精度の高い評価が実現します。
液体・スラリー中粒子の解析
液体やスラリー中の粒子評価では、沈降や凝集の影響を受けやすく、正確な測定が難しいとされてきました。しかし、動的画像解析は流動状態で測定を行うため、実使用条件に近い形での評価が可能です。
特に、分散状態の確認や凝集体の検出において、画像情報が大きな威力を発揮します。
乾燥粉体への応用
乾燥粉体の評価においても、動的画像解析 は有効です。粉体を分散させながら測定することで、粒子の重なりを抑え、個々の粒子特性を正確に捉えることができます。
これにより、製造条件の違いによる粒子形状変化や、異常粒子の混入なども容易に検出できます。
産業界での導入メリット
動的画像解析を導入することで、以下のようなメリットが得られます。
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品質管理の高度化
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不良原因の迅速な特定
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製造プロセスの最適化
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製品の一貫性向上
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研究開発の効率化
数値データと画像を同時に活用できる点は、意思決定のスピードと精度を大きく向上させます。
今後の動向と展望
粒子材料の高度化が進む中で、形状や分布まで含めた詳細な粒子評価の需要は今後さらに高まると考えられます。動的画像解析 は、その中心的技術として、研究開発から量産工程まで幅広く活用されていくでしょう。
まとめ
動的画像解析は、粒子径だけでなく形状・個数・分布までを包括的に評価できる先進的な解析手法です。従来法の限界を補完し、より実態に即した粒子評価を可能にします。粒子特性が製品品質を左右するあらゆる分野において、今後欠かせない技術となるでしょう。







