前回とりあげた「人工芝運動」について,最近分かった新たな事実をつけ加えて掘り下げます。
広瀬川環境保全区域では,「広瀬川1万人プロジェクト」という,仙台市が「広瀬川創世プラン」(2005年から2014年,2015年から2024年(中間見直し版),さらに2025年から2034年まで続く)という行動計画で支援している団体活動があります。
この団体の活動は現在進行中の広瀬川創世プラン2025-2034のパンフレットp.24に記載されているように,

年2回2時間ずつ,つまり,「年間4時間」の清掃活動がほぼすべてです。

それでは,広瀬川1万人プロジェクトで大々的に「宣伝」している,清掃活動の中身を,2025年4月19日に行われた図3に示すパンフレットの清掃活動(宮城第一高校第2グラウンド最寄りの)澱橋(よどみはし)会場

の実際の活動内容を時系列で示しますと
- 河川敷への車止めを撤去し,集合場所(上記地図で「角五郎河川敷」と表示のある場所)にテントを設営
- 参加者(219人)は河川敷まで車で乗り入れテントで受付
- 10時くらいに主催者が挨拶したあと,2時間周辺を散策しながら清掃活動(例年の活動内容から推測)
- 12時に清掃活動終了,219人で集めたゴミの数はたったの7個(日常的にゴミを回収している周辺在住の住民がいるのでゴミの数は限られている。なお,町内会のゴミ集めは,ほとんどない「ゴミ」より「草抜き」が中心となるので,50人×1時間で行ってもゴミの数は50袋程度になる)
- 12時より図3で「澱雨水ポンプ機場(ここより左の上流側は3m以上の洪水浸水想定区域のため)」と表記のある仙台市施設の管理棟の窓からホースでテントまで水を引いて「バーベキュー大会(芋煮会)」を開始(図4,家族連れ中心で他の拠点に比べ参加人数が多い理由が分かる)

となり,「広瀬川1万人プロジェクト」が,県内企業の「似非草の根運動(人工芝運動)」であり,本質は,県内企業の親睦を含めるバーベキュー大会(芋煮会)であるのは以前から知っていましたが,改めて,このプロジェクトのHPを見て,本当の狙いが
「宮城県などの公共事業入札総合評価制度におけるボランティア活動への参加実績」として,「企業の社会的責任」(CSR)の評価対象にあるのを知って驚愕しました。

参加団体は多国籍企業も含む238団体にもおよびます。
仙台市は「広瀬川の清流を守る条例」では,宮城県が行った宮城第一高校第2人工芝グラウンド工事で骨抜きにするような仕打ちをする一方,同じ目的(広瀬川の自然環境の保全)をもつ行動計画「広瀬川創生プラン」として,税金をこの企業団体に投入し,偽善的な企業の社会的な責任を果たしているとするポイントを提供しています。
この関係は,一方的に,仙台市が宮城県や仙台市の公共工事に係わる民間企業の活動を支援するものだけでしょうか。逆に,企業から,仙台市長選や宮城県知事選において,見返りに支援があるはずと勘ぐるのは私だけでしょうか。
今年から,広瀬川1万人プロジェクト秋の清掃活動が,例年9月に行うのが11月に変更になりました。その理由として,「芋煮会」をするには,まだ暑い9月より,里芋の収穫期以降の10月下旬から11月初旬が適期である(Wikipedia 芋煮会より)ので11月に変更したのではないでしょうか。さらに勘ぐると,今年2025年は10月24日に宮城県知事選があるので,清掃活動を知事選の後にしたのではないでしょうか。
仙台市の市の鳥はカッコウだそうです。
仙台市なら伊達家ゆかりのスズメ

か,スズメが嫌なら,渋いけれど,同じく伊達家ゆかりのセンダイムシクイ

が適当で,カッコウは「托卵」ーというか,英語で「労働寄生(Brood parasitism)」,つまり,鳥の生活において最も過酷な営巣から子育てを他の鳥にさせる鳥で,実際は労働寄生というのも婉曲な言い方で,カッコウのメスは他の鳥が作った巣(カッコウの巣は他の鳥が自分の子育てのために作った巣)に「空き巣」(よくできた言葉だ)に入り,卵1個捨て代わりに自分の卵を産みつけ,カッコウのヒナは,里親の卵より先に孵化し,里親の卵,あとから孵ったヒナを背中に乗せて巣の外に放り出し皆殺しにして,里親が運ぶ食べ物を自分一人で独占して成長する。

今日官僚や企業が市民を食いものにする構図の預言は,仙台市の遊歩道の路面に刻まれているのです。
