カテゴリー別アーカイブ: ガーデニングそして詩

9-yuugao3

「夕顔」が咲き  そして9月の花

logo-yugao


猛暑が終わるころになると夕方から早朝にかけ咲きだすのが「夕顔」です。ちなみに、この夕顔は「源氏物語」に出てくる夕顔とは違い明治になり外国から輸入された花だそうです。純白で大輪に咲く花です。一度見たら記憶に残る花と言えましょう。その香りはほんのりと気高さがあって宵闇に見る夕顔は息をのむような美しさで魅力的な花です。毎年、夫が種を傷つけ5月に蒔き本葉が出ましたら近所の花好きな方々に差し上げています。花好きなうちのおひとりで、とても夕顔の好きな花友達がいました。花の香りを掌で包むように顔を着けて花を愛おしんでいた様子が思い浮かびます。花を通し生活や今の自分の思いを互いに語る楽しい時間がありました。その友が突然60代の若さで亡くなられました。突然のことで信じられない思いが続いています。しかし、現実は会えない、語れない寂しさを知らせています。そんな思いを心に飲み込んで今年の夕顔を眺めています。美しさと寂しさ、そして生命のはかなさを感じる9月に夕顔は咲いています。

9-yuugao3 9-yuugao2 9-yuugao1 9-yugao5 9-yugao4


 

9-hiougi 9-nannbannkiseru

9-suityouka 9-sahuranmodoki 9-rurimaturi 9-pentasu     9-osiroi9-hototogisu 9-daria 9-asagao

 

酔蝶花

酔蝶花(すいちょうか)がそして涼しげに風蘭も咲きました。

 

猛暑の夏は植物たちもくるしげですが、それでも夏の宵から翌朝にかけて酔蝶花は鮮やかに咲きました。そして風蘭が 木陰で涼やかに咲き見るたびに心が踊ります。西洋蘭のように華やかではないなりにさらに美しさの余韻が残ります。

7gatunohana

酔蝶花

酔蝶花

酔蝶花

酔蝶花

酔蝶花

酔蝶花

酔蝶花

酔蝶花

 

7-hu-ran1  7-huran2

7月の花

7-akapansasu2 7-akapansasu7-akapansasu-ao 7-guroriosa7-kanzou 7-kikyo-siro7-misohagi 7-syouma

logo-suityouka                         高安ミツ子


酔蝶花

夏空綿雲やイワシ雲が見えなくなる頃
酔蝶花は夕闇から夕闇へと
手を広げるように咲いています

酔蝶花は深い闇の伝説を語るように
どこからか吹いてくる風のそよぎに
微かな香りを混じらせていきます

すると大分過ぎてしまった時計がまわりだし
消えていた私の悲しさや
淋しさの匂いが
酔蝶花の傍らに漂い始め
あの時の後ろ姿がひとしお蘇ってきます

故郷を離れた夜の深い哀しみ
行き先の不安を感じるような
全山を包む漆黒の中
無情なほど進むことを拒んだ山霧
あの時の峠が迫ってきました

夜はひっそりと心の波紋を広げていきます
今宵の月明かりは
ひらりと昼間を飛び越えて
ひらりと過去を押しやって
夜は静かにたゆたゆと流れています
酔蝶花の蜜を吸うように
虫たちが飛びかい命をつないでいます

いくつもの思いを背負った私の心歌は
命をつなぐことはできたのでしょうか
私の眼の奥で
揺れている私の道すがらを
酔蝶花は夜のやさしさで包んでいます

白の紫陽花

我が家に咲く6月の紫陽花。 そして詩。

紫陽花が咲きだしました。庭中をいろどっています。種類により 紫陽花の咲く時期は多少のずれがあります。しかし、実に梅雨に 似合う花だと思います。早く咲く種類は従来あるマリンブルー色で手毬のように咲く紫陽花と純白に咲く柏葉紫陽花です。それから 額紫陽花が咲き他の紫陽花もつぎつぎと咲くこの時期は、目覚め るのが楽しみになります。更に家中が紫陽花づくしになります。仏壇や居間や玄関、はたま たトイレまでそれはそれはうれしいひとときです。ご近所のお花が好 きな方々にも差し上げています。7月になったら翌年咲いてもらう ための枝切の世話をしなければなりません。そんなときは体力の 衰えを感じながらも来年咲いてほしい一念で作業にいそしみます。コロナ禍で人との交流が少なくなり、寂しく思われるときもあり ましたが庭に咲いている花々にどんなに慰められたか計り知れません。どうぞご覧ください。

紫陽花

azisai15azisai14azisai13azisai7azisai3azisai16noriutugi2gakuazisai3gakuazisai2gakuazisaiazisai19azisai18azisai17sumidanohanabikasiwaaba2gakuazisai2

 

logo-tuyunogenso           高安ミツ子


 

フェルメール・ブルーに咲いた

あじさいは

限りなくやさしい水面の鏡のようです

見上げると雨上がりの虹が

青空に橋をかけています

 

下り坂の私の風景にも虹が見えると

神様が虹を渡ると思えるほどの

無邪気なひとときが流れます

 

通り過ぎた風景をはかるように

日常の針を動かすと

生きるために呑みこんだあまたの感情が

虹色の付箋を付けて私の物語ににじんでいます

 

まいまいつぶりが

私の心を描くようにあじさいに揺れています

今日の愛おしさを小さな虹にして

コーヒーに溶かしてみたくなりました

 

 

bara-anzyera

「私の四季 そして詩」  薔薇が次々と咲く5月です

bara3 bara2 (2)bara-1 bara5

bara7 bara6

bara4

logo-gogatunokaze

bara-anzyera

怖さも悲しみも知らないころ
父が撮ったモノクロ写真
弟と私は
つるバラの前で笑っています

薄くルージュを引くころになると
哀しみを知りました
別れがありました
私の心はがらんどうのまま
赤いつるバラをすっかり忘れていました
私にとって忘れることが生きることでした

バラを漢字で薔薇と書こうと思ったころ
風景が少し動きだしました
私と夫の手にぶら下がり
見上げる幼子の問いかけに
愛おしさが溢れだし
私の風景は穏やかに弾み
バラを花瓶に活けるようになりました

今は巣立った子供たち
残された時間
鮮やかに咲いたバラの前で
呑みこんだ時間をまさぐるように
また弟と並んで写真を撮りました

バラの輝きとまぶしさに
二人とも心はゆらゆら揺れて
いつか消えていく命を覚悟しながら
照れ笑いをした二人の影法師は
あのときのモノクロ写真にかさなり
バラの香りは遠い記憶をやさしく包んでいます

麦なでしこ

私の四季 そして詩  「麦なでしこ」が鮮やかに咲いています

麦なでしこ

麦なでしこ

muginadesiko-siro muginadesiko1

 

 

麦なでしこ


 

忘れていた
恋しい思いを連れてきては
鮮やかに今年のワルツを踊っている麦なでしこ

 
風に揺れ
私の思い出をたくさん集め
70を越えた私の哀しみに
寄り添って今日の楽しさを
私に手渡してくれています

日差しは私と麦なでしこをやさしく包んでいます

 

5-naniwaibaraa

私の四季  ないにわいばらが咲きました

watasi

 

5-naniwaibaraa

5行詩    なにわいばら     高安ミツ子


白い花びらは

春の息吹を集めて

乙女のあこがれのように咲いています

春は生命の輝きを口ずさみ

舞い散る花びらは今日の風を受け止めています

 


5-kurematisu

 

5-botan   5-siran

5-rinariaa

5-bara

5-siran2

我が家の春の庭です。春はせわしくそして軽やかに

時を刻んで楽しませてくれています。

 

 

 

私の四季 3月22日の庭の花

watasi

 

3月といえども寒い日があって気候はなかなか落ち着きがありません。

それでも庭の花々は咲きだし、春の知らせを運んでくれています。

人との交流が少ないコロナ禍であっても庭の花々は色彩豊かに

生きる喜びを伝えてくれています。