今回は食ブロです。
今日は私の故郷、長崎平戸の郷土料理の押し寿司を作ってみました。
昔から祝事に欠かせない料理として受け継がれてきた、
甘めの酢飯と具材を寿司型で押し錦糸卵やでんぶを彩りよく飾った押し寿司です。
勿論、私も幼少のころからおくんちや、お祝い事、来客があると
母の手伝いで作ったのを覚えています。
一見、ただの酢飯に錦糸卵とでんぶを乗せてるように見えるのですが、
実は中にはゴボウ、シイタケ、高野豆腐、人参、天ぷらなどを煮しめた具材がたっぷり。
甘い口当たりの押し寿司は1個で十分お腹が膨れるのですが、
その美味しさに、ついつい、2個目へと手を出してしまう程でした。
この押し寿司は私にとって母の味。
具材の下ごしらえや味付けの仕方を何度も何度も教えてもらったはずなのに、
何度作ってみてもやはり母の味には叶わない。
きっと、母のたっぷりの愛情が隠し味として入っていたのでしょうね。
数年前までは私たちが帰省すると、農作業や家事で忙しい中、
バラ寿司や押し寿司、お団子を作って迎えてくれましたが、
さすがに90歳を超える頃から母も思う様に体が動かず、
ご馳走を作って食べさせられない事を悔しがっておりますが、
願わくば、今一度、母の押し寿司を食べたいなぁ~と思ってしまいます。
母の味の重さを感じるとともに、私は自分の子供に
どれだけ記憶に残る母の味を作って食べさせることが出来ているのだろうか・・・と。
子供達にあと何度手作りのご飯を作って食べさせてあげられるか分からないけれど、
精一杯愛情を込めて作って食べさせてあげたいな。
残りの具材は酢飯と混ぜてちらし寿司で。
お婆ちゃんには敵わないけど、コレが母の味です‼
貴方たちの記憶に残ってくれると嬉しいな。